夏の楽しみ!といえば、海やプールですね。
日焼けや熱中症も注意しなくてはならない季節ですが、暑い日のプールは最高です。
でも、もしお子さんがプール熱に感染してしまうと、お子さんも心配ですが、家族に伝染しないかも心配ですね。
今回の記事では、お子さんがプール熱に感染してしまった場合の大人への感染経路や症状、家庭でできる予防法について解説します。
※この記事は、現役の看護師さんに執筆していただいたものを、アズミちゃんネルが編集しています。
プール熱(アデノウィルス)の大人の症状は子供とは違う?
プール熱に子どもがかかってしまった場合、大人も同じような症状が出るのでしょうか?
一般的な子供の症状と、大人の症状との違いについてみていきましょう。
プール熱(咽頭結膜熱)の子どもの症状
プール熱の原因となるのはアデノウイルスです。【アデノ】とは扁桃腺やリンパ節を意味しています。
一般的に子どもが、このウイルスに感染すると、発熱・頭痛・咽頭痛・眼の充血・食欲不振の症状が現れてきますが、このほかにも腹痛・下痢・咳などの症状を伴うこともあります。
症状がインフルエンザに似ていることもあり、「夏のインフルエンザ」とも言われています。
熱が出るタイプを「咽頭結膜熱」と呼んでいますが、目が充血するタイプは「咽頭結膜炎」と呼ばれています。熱と目の2タイプが同時に発症することも多いです。
プール熱(咽頭結膜熱)の大人の症状
大人がかかった場合も子どもと同じ症状を発症しますが、比較的症状は子供より軽く夏かぜと似ているので注意が必要です。
大人から大人へも感染するので、症状が軽いからと会社へ出勤すると感染を広げてしまいます。なかなか休めないとは思いますが、ムリしすぎないのが重要です。
プール熱の症状の治療法
プール熱を治療する薬はないため、症状に対する対処療法となります。
咽頭痛や発熱により食事や飲み物が喉を通らず、脱水にもなりやすいので積極的な水分摂取を心がけていくことが必要です。
また、高熱による体力の消耗もあるためしっかりと睡眠をとることが治療の基本となります。
プール熱の初期症状と子供からの感染経路は?
最初にどのような症状が出たら「プール熱」を疑ったほうがよいのでしょうか?
また、子どもがかかってしまった場合、どのような感染経路で家族に伝染するおそれがあるのでしょうか?
プール熱(咽頭結膜熱)の初期症状は?
プール熱の発症期間は3~5日間と比較的長く、初期症状は38~40℃くらいの発熱から始まり咽頭痛、眼の充血がみられてきます。
眼の症状は痛みを伴い、目やにが多く、片方ずつなることが特徴的で他にも咳・くしゃみ・鼻水といった症状も出ますが、まず先に咽頭痛を伴う高熱と眼の充血があることが特徴的ですが、インフルエンザの症状にも似ているため早めに病院を受診します。
また、解熱したあとも2週間~1ヶ月ほどウイルスが糞便に排出されますので、2次感染には十分な注意とこまめな消毒が必要です。
学校は、症状がなくなってからも2日間は出席停止です。
プール熱(咽頭結膜熱)の感染経路と潜伏期間は?
プール熱の感染経路としては、その名の通りプールで感染しやすいことは知られています。
また、接触・飛沫感染であるため、プール以外の場所でも感染します。
特に子供に多くかかりやすいと言われていますが、感染力は非常に強く、潜伏期間も5~7日間ほどあるため子供感染し発症、その後親も感染ということも少なく無いです。
プール熱の家庭内感染をふせぐ予防法は?
プール熱には特効薬やワクチンがありません。ですので、日頃から実践できる予防法をご紹介します。
プール熱の一般的な予防法
まず、体力を低下させないよう栄養や睡眠をしっかりとります。
そして、手洗い・うがいはもちろんですが公衆の場所にあるタオルは共用せず、個人のものや使い捨てのペーパーなどを使うようにしていきます。
また、大勢の人が集まるような場所に出かけるときは、マスクの着用も念頭にいれ常に持ち歩くことをおすすめします。
プール熱の家庭内の予防法
もしも、家族の誰かが感染してしまった場合は、共有スペースはもちろんですが特にトイレの使用後の便座や手すりなど消毒を行いましょう。
アデノウイルスには 消毒用エタノール80%(手指などの消毒)、次亜塩素酸ナトリウム濃度0.02%(トイレ内の消毒)が有効です。
また食器やタオルを共有しないことも重要です。
アデノウイルスだけに限らず、普段から石鹸による十分な手洗い・うがい・アルコール消毒の徹底、そしてマスクや携帯用アルコール消毒液を持っていると公共の場所でも安心してトイレや施設などを利用することができます。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液はノロウイルスにも有効です。
市販の塩素系漂白剤を使い作ることができるので、容器に記載文を是非参考にしてみてください。
まとめ
お子さんがプール熱に感染してしまった場合は、大人も感染のおそれがあります。
子どもよりも症状は軽く「夏風邪」に似ているので、油断して二次感染を起こさないように注意が必要です。
自分が感染しないことが家族を守る一番の予防法ですので、日ごろからムリせずに、十分な栄養と睡眠を心がけましょう。